0000_,09,001a01(00):一枚起請文 0000_,09,001a02(00): 0000_,09,001a03(00):もろこし我朝にもろもろの智者たちのさたし申さるる 0000_,09,001a04(00):觀念の念にもあらず・また學問をして念の心をさとりて 0000_,09,001a05(00):申念佛にもあらず・唯往生ごくらくのためには南無阿彌 0000_,09,001a06(00):陀佛と申てうたがひなく徃生するぞとおもひとりて申 0000_,09,001a07(00):外には別のしさい候はず・ただし三心四修と申事の候は 0000_,09,001a08(00):みな决定して南無阿彌陀佛にて徃生するぞとおもふう 0000_,09,001a09(00):ちにこもり候なり・此ほかにおくふかき事を存ぜば二尊 0000_,09,001a10(00):のあはれみにはづれ本願にもれ候べし・念佛を信ぜん人 0000_,09,001a11(00):はたとひ一代の法をよくよく學すとも一文不知のぐど 0000_,09,002a01(00):むの身になして尼入道の無智のともがらに同して智者 0000_,09,002a02(00):のふるまひをせずしてたた一向に念佛すべし・ 0000_,09,002a03(00):爲證以兩手印 0000_,09,002a04(00):淨土宗の安心起行此一紙に至極せり源空が所存此ほ 0000_,09,002a05(00):かに全く別義を存せず滅後の邪義をふせがんがため 0000_,09,002a06(00):に所存をしるし畢 0000_,09,002a07(00):建曆二年正月二十三日